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女王陛下のブルーリボン―ガーター勲章とイギリス外交
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| ジャンル: | 歴史,日本史,西洋史,世界史
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明治天皇とガーター勲章
明治天皇の時代の日本は極東の小さな島国にすぎませんでした。その明治天皇が、ついに欧州で最も格式の高い勲章である英国ガーター勲章を授与される下りがクライマックスシーンとして劇的に描かれています。本来ガーター勲章は基督教徒で英国王を表敬訪問した王侯にしか授与されないしきたりでした。それが非基督教徒で外国旅行もままならなかった明治天皇に特別に授与された背景には北清事変、日清戦争、日英同盟、日露戦争など数々の戦争における多くの日本軍将兵の尊い犠牲があったのでした。ガーター勲章と日本の馴れ初めは今日の平和な日本からは創造もつかない戦争の世紀だったのです。特筆すべきはガーター勲章の永い歴史の上でその全ての慣例を覆した世界で最初で最後の君主が日本の明治天皇だったということです。またWWUの日英開戦により一度剥奪されたガーター勲章を再度授与されたのはガーター勲章史上昭和天皇唯一人であったことも特筆されるべきでしょう。そしてその陰には世界史上かつてない日本の空前の経済大国化という事実があったことは容易に想像がつくことです。日本の天皇家がガーター勲章の歴史に空前絶後のエピソードの数々をもたらしたことは間違いないでしょう。ガーター勲章は決して世界中にある多くの勲章の中の一つではなく、我々日本人にとってはまさに血涙の歴史そのものであると言えるでしょう。本書の一読を是非推奨します。
たかが勲章、されど勲章。
14世紀に国王エドワード三世によって創設されたガーター勲章が、中世から現代に至る英国に果たしてきた役割を解説した本書、歴史的にも由緒ある英国最高の勲章であるガーターが、ブルゴーニュ発祥の黄金羊毛勲章の後塵を拝まなくてはならなかった創成期から、イギリスの最盛期を迎えたヴィクトリア女王の時代に、各国の元首から垂涎の的となるまでのいきさつは、もう一つの英国史ともいうべき面白さでした。原則としてキリスト教徒に与えられるガーターを欲しがる東洋の君主に、ワンランク下の勲章でお茶を濁したり、新しい勲章を創設したりと、ガーター授与の最終的な権利を持つ歴代の英国王と政府との駆け引きは興味深いものがあり、戦時中の日本への処遇も含め、日本の近現代史とも深くかかわってくる話も読ませました。また、巻末にある勲章に関連した貴族制度の紹介では、どの階級、勲章から『サー』の呼称が認めらるかなど詳細に解説されている点も良かったです。
NTT出版
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